お茶にしましょうか
車から降り、私が浜辺へといの一番に駆け出すと、お二人も後から遅れてやって来ました。
「こ、転けないでくださいね」
「平気ですよ。それに、久しぶりの海で、はしゃがずにはいられません」
心配してくださる江波くんに、私は微笑んでそう言い、また駆け出しました。
私は波打ち際まで来ると、このうだるような暑さです、冷たい塩水に足を浸したくなりました。
いつもよりほんの少しだけお洒落をしたサンダルを、私は迷わず脱いだのです。
足元を撫でるような塩水の感触に、私の気分はますます高揚していきました。
「いいね。俺も足、浸けよっと」
毒舌の彼も私に続いて、靴を脱ぎます。
江波くんは私たちの様子を見て、少し戸惑っている風でした。
そんな彼を「江波もおいでよ」「是非、江波くんも!」と二人で強烈に何度も誘えば、彼も渋々と靴を脱ぎ始めました。
足をようやく浸した江波くんに向けて、毒舌の彼が突然に水をかけたのです。
私はそれに、少し驚きました。
毒舌の彼は、楽しそうな表情でいます。