お茶にしましょうか
「俺だけに攻撃するって、萩原さんは仲間外れ?萩原さん、かわいそー」
「酷いです、江波くん!」
「ち、違う!そんなつもりは……!」
「どんな闘いにも、情けは無用だよ」
毒舌の彼は、よっ、と掛け声をつけながら、私に水を控えめにかけてくださいました。
その水は冷たく、真夏の太陽の下では、とても心地好く感じます。
私も毒舌の彼に向けて、思いっきり水を掬い上げました。
「お。なかなかやるね。そういうの嫌いじゃないよ」
「私は『我武者羅』ならば、誰にも負けませんよ!」
「はは。意味わかんない」
「江波くんにも……そいっ!」
「ちょっ……!仕様がないな。こ、後悔しても知りませんよ……!」
「望むところです!」
楽しい時間は、あっという間に過ぎ去ってしまうのですから、何と罪作りなことなのでありましょう。
私はたった今、過去最大の楽しいことに浸っているのです。