お茶にしましょうか
「うわー。海水でベトベト」
「たくっ。最初に始めたのは、誰だ」
一通り、楽しんだ私たち3人は、防波堤に並んで腰掛け、各々の服を乾かしておりました。
「でも、楽しかったから良いじゃないですか!」
「………俺、萩原さんに言われると、何も言えなくなるんですけど………」
「俺には言うようになったよね。社会人になってから。驚いたよ」
「お前は、もう少し冷静な奴だと思ってた」
「俺も人間だからね。そりゃ、楽しいときは、はしゃぐから」
そりゃ悪かったな、と江波くんが呟いたところで、お二人の会話が終了したことを確認し、私は「今更ながらなこと」を尋ねました。
「そういえば、駄菓子屋さんの前でお二人がおっしゃっていた『約束を忘れた』というお話ですが……今更ではありますけれど、私はお邪魔ではありませんでしたか?」
「本当に今更だね」
毒舌の彼に、そう言われてしまえば、私は言葉に詰まってしまいます。