お茶にしましょうか



「うわー。海水でベトベト」

「たくっ。最初に始めたのは、誰だ」



一通り、楽しんだ私たち3人は、防波堤に並んで腰掛け、各々の服を乾かしておりました。



「でも、楽しかったから良いじゃないですか!」

「………俺、萩原さんに言われると、何も言えなくなるんですけど………」

「俺には言うようになったよね。社会人になってから。驚いたよ」

「お前は、もう少し冷静な奴だと思ってた」

「俺も人間だからね。そりゃ、楽しいときは、はしゃぐから」



そりゃ悪かったな、と江波くんが呟いたところで、お二人の会話が終了したことを確認し、私は「今更ながらなこと」を尋ねました。



「そういえば、駄菓子屋さんの前でお二人がおっしゃっていた『約束を忘れた』というお話ですが……今更ではありますけれど、私はお邪魔ではありませんでしたか?」

「本当に今更だね」



毒舌の彼に、そう言われてしまえば、私は言葉に詰まってしまいます。
< 154 / 160 >

この作品をシェア

pagetop