私の名前
駅に着く。
「あ、紗奈ー!」
すでに女子は来ていたらしく、朔久が紗奈を呼んだ。
…今更だが、朔久の彼女を見たことが無い。
朔久の視線の先を追った。
その先には、小さくてふわふわした雰囲気を持った可愛らしい女がいた。
いかにも朔久が好きそうな。
「あ、朔久ー!」
嬉しそうに笑みをこぼした。
確かに美女と言われるだけある。
毛先がくるんとしていて綺麗な黒髪。
小さくちょこちょこしていて、守ってあげたくなるそんな女の子だ。