最後の恋愛 番外編 ☆もうひとつのストーリー☆
息がつまるくらい、何かが体に巻きついている苦しさに目を覚ましたのを感じた。

ううー

なんっか、悪い夢を見てた。

座っていた大きな切り株から手が出てきて羽交い締めにされてそのまま木になっちゃうって夢。

ああ・・もうっ

なんたってそんな夢みたんだろ・・

「うーん・・。」

唸りながら、私はうっすらと目を開けた。

と・・

「ぎゃあっ!?」

思わず声を張り上げた。

目の前に大麦隼人の顔があったからだ。

え???

なんだって、大麦?

待って待って

「ちょっ・・」

巻きついていたのは大麦だったんだってようやく理解して目の前の男らしからぬ長い睫毛と思いの外彫りの深い顔立ちに顔を仰け反らせながら叫んだ。

「はっはなっ離してっ」
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