ノンストップラブ
私は早速大学ノートを広げてシャーペンを握った。

おばが亡くなってから2年経ち、就職先だった印刷会社を3年で辞めて

自称フリーライターとしてカツカツの生活を送っていた。

小説家を夢見て投稿サイトを利用し

印刷会社の女社長からの紹介で

唯一1本だけコラムを買ってくれている

あまりメジャーでない化粧品会社の冊子だけが

ライターとしての微々たる収入であった。

生活費はおば夫婦が残してくれた遺産のみだ。

ギリに削ってもかなりキツイのは言うまでもない。

普通ならコンビニのバイトを増やせばいいだけであったが

執筆時間のわがままを優先しその日暮らしとなるのは承知だ。

人は何を犠牲にできるかで自ずと生きざまが決まってくる。

一般的には労働時間と安定収入であろうか。

私は一般的ではなかっただけだ。
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