溺れてはいけない恋
俺はあの時一度キスして熱くなったが

今は彼女との間に一線を引いていた。

何不自由ない生活に不平を持ち

三上との関係にも釈然としないものを感じていたからだ。

「これだけは確認しておきたい。」

「何かしら?」

と美しい表情を惜し気もなく俺に向けた。

「三上から何を聞いているのか知らないが、俺のことはあきらめた方がいい。」

多良はしっとりと微笑んだ。

「一輝さん、これだけは覚えておいて。私は決してあきらめません。」

彼女はスッキリとそう言い

ベンチから立ち去った。

一人残された俺はその後ろ姿を見送った。

その時はまだ自分の気持ちに気づいていなかった。

三上に嫉妬している自分に。

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