君との距離5cm
「白石さんは俺の事知ってる?」
へ?何その質問。
用事があるって言うしこんな所連れてくるんだからもっと大切な事とかなのかと思ったのに
「…神咲碧斗」
「俺も白石さんの事知ってるよ」
「……」
「白石日和さんでしょ?」
私の事知ってるならさっきの嫌がらせの事実だって、
私の噂だって、
私がなんて呼ばれてるかだって、
全部知ってるって事じゃん。
私な神咲くんを見てニコッといつも通りの笑顔を作る。
「お誘いですか?」
「……」
「すみません、先約あるので」
いつもの断り文句。
神咲くんの用事がお誘いなら話は別。
私は絶対にこの笑顔を崩す事はしない。
「…じゃあ明日は?」
「明日も先約あるので」
「じゃああさって」
「あさっても先約あるので」
「じゃあ何週間後でもいいから白石さんが空いてる日」