始まりのラピスラズリ


そして────、


「あっ……」


私の食べかけのリンゴ飴を1口、かじった。


「…………」


突然の出来事に、私は驚いて固まってしまう。


すると、そんな私を見た先輩は、私の耳元に顔を近づけて来て────、


「美味かった…、ごちそうさま」


そう言った先輩の声は、リンゴ飴よりもずっと甘くて。


「……っ!」


その後に見せた先輩の妖艶な微笑みに、
私は思わず息をのんだ───。

< 147 / 427 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop