始まりのラピスラズリ
「この看板、ここに飾られてたんですね。
私、昨日はずっと体育館にいたから、気づきませんでした」
「あぁ…」
「……」
「……」
「……ハル先輩っ!」
椎名はしばらくその看板を見ていたかと思うと、突然俺の方に体を向けて頭を下げてきた。
「ちょ、おい……」
「ハル先輩っ、あの時はすみませんでした…!
ただ、先輩の力になりたくてっ、それなのに
先輩を傷つけるようなことを言いました!
本当に、ごめんなさい……!!」
その言葉に、俺はあの日のことを思い出す。