俺はいつも一歩遅くて…。


「なぁ、なずな」
「んー?」
「凛、帰宅部か〜?」
「あー。多分そうだと思う。」
俺は制服のYシャツを脱ぎながら言った。

「じゃあ、
部活によるライバルの危険性なし。だな?」
ニヤニヤしながら椿が俺を見る。

「ウルセェッ」
俺はすかさず椿の脚に蹴りを入れた

「いってぇぇぇ。
お前蹴り強くなってないか?
脚筋またついたんじゃね?」

「そーゆうお前も、蹴り心地悪くなってる」


ニヤッ


2人顔を合わせて笑った。
「それじゃいつもの」
「やりますか‼︎」


「せーのっ」


バッ。



俺と椿は同時に、
Yシャツの下に着てたTシャツを脱ぐ


「お〜なずなの6パック健在。」
「椿のもな、
受験勉強で衰えてるかと思ったけど。」
「お前に負けるわけにはいかねぇからな。」
「俺だってお前には負けたくねぇ」


着替えながらそう会話をしていると


「おい!体育館に美女が‼︎
2年の桜庭先輩と楽しそうに話してるぞ‼︎」

同じ一年の奴がそう言いながら
部室に入ってきた。


「おぉ‼︎どんな子だった?!
可愛い系?綺麗系?」
すぐに他の部員達が食いついた。

まぁ、俺は凛と一筋だから〜

「超々可愛い系‼︎」

ん?

「おぉ〜‼︎」
「何か笑うと天使みたいでっ‼︎
いかにもピュアそうでっ‼︎
ネクタイが青だったから1年‼︎
幼馴染の2人に会いにきたって」

ん?!

「おぉ〜‼︎そんな子と幼馴染とか、
羨ましすぎるぜ」


「なぁ椿…俺、少し心当たりあるんだが。」
「同意だ。俺も1人思い当たる節がある。」


ばんっ

「おい。お前ら‼︎そんなガッツクなって‼︎」


俺と椿は部室から飛び出すと
すぐに体育館へ行った。


「あーあ。人の話最後まで聴けって。」
「何があるのか?」
「俺が話しかけても怖がってさぁ〜。
多分あいつらが話しかけても無理。
まぁその怖がる姿もたまんねぇけどっ」
「じゃあやっぱ見ておかないと‼︎」
「あ!待て!」

その後から、バスケ部がぞろぞろと
体育館へ向かった。
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