俺はいつも一歩遅くて…。


体育館の入り口まで来ると


「えっ‼︎そうなんですかっ?」


この声は…
聞き覚えのある高くて透き通る声


「はぁ…はぁ…はぁ…」
「はぁ…はぁ…やっぱり…」

俺達は、その超々可愛い系な女の子が
物凄く見覚えのある子と一致した。


「あ!なずっ‼︎椿っ‼︎」
笑顔で凛が手を振った。


クッソ可愛い…


「おぅっ‼︎やっときたかお前らっ‼︎」
凛の近くにいた男が振り返った。

俺らバスケ部の2年の先輩。
桜庭 海斗先輩 SAKURABA KAITO
明るくて元気で。天然で。
凄く良い人で部員からの人望も厚い。

「桜庭先輩っ‼︎ありがとうございました。」
凛は桜庭先輩にペコリと頭を下げると

俺たちの方へ走ってきた。

「凛…桜庭先輩と話せたの?」

「うんっ‼︎えっと…私が知らない人に
絡まれた時に…桜庭先輩助けてくれた」

「そっか…」

知らない人に…
また俺はこいつを守れなかった。


「えっと…凛は何でここにー?」
椿がいつものテンションで言った。

「2人にも報告しようと思ってっ‼︎」
嬉しそうな笑顔を浮かべながら
カバンから1つのチラシを取り出した。


「「料理部…?」」

凛の手には、
〝料理部、部員大募集‼︎〟
と書かれたチラシがあった。

「確かにお前、料理上手いもんな」

でも、料理つったら他の奴に…?!

「良いねぇ〜‼︎
俺らに差し入れ持ってきてよ‼︎」

「おっ‼︎良いなそれ‼︎俺も食べたい‼︎」
椿ナイスアイディア‼︎

そう思って椿を見ると
椿は俺を見てウィンクした。


お前それ得意だな…まぁ助かるけど。

「うんっ‼︎まこにも約束した‼︎
3人の差し入れや試合の日の弁当‼︎
どーんと私に任せなさいっ‼︎」

胸を叩いてドヤ顔する。


凛…可愛いっ‼︎


「おっし。やる気出た。
今度の試合、よろしく頼むなっ。」

「うんっ‼︎」

「お〜なずながやる気だっ‼︎
俺も負けずに頑張るぞー‼︎」


「じゃあ、私もう行くねっ‼︎」

「「おぅっ!!」」



急いで駆けていく凛の背中を見送ると


「うっし。なずな、レギュラーとるぞ。」

「当たり前。」



俺達は部活へ行った。
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