俺はいつも一歩遅くて…。
おれらの休日

出歩かない理由

キーンコーンカーンコーン

「はー。つっかれた」
大きく蹴伸びをする

外は雲ひとつない青空。
今はもう俺たちが入学して1ヶ月たつ

教室に目をやると
それぞれが友達と元気に会話している
その中で一際目を引くのはやっぱり凛


これが好きな奴ならすぐ見つけられる
ってやつか…

「恋っていいなぁ」
「そりゃもう。恋ほど心躍るものはないよ」
「うぉっ」
「今日も乙女だね〜なずなは」
目の前で椿がクスクス笑っていた

「つっ椿君!」
女の子が1人、椿に声をかける
「今度の土曜日、空いてないかな?
この子となずな君も入れて4人で遊ばない?」
そう言うと後ろからもう1人
モジモジと女の子が出てきた。

これは絶対、椿が好きな子だなぁ
「俺はパス。椿、他のやつ誘って行ってこいよ」
「えぇっ。なずないないなら
俺も遠慮しようかな」

「えぇっそんな…。」

俺たちが断ると、後ろにいた女が
目をウルウルとして
走って教室から出て行った

「あ!あの子ったら…
ごめんね!椿君、暇があったら遊ぼう!」
そう言うともう1人の女は追いかけて行った

「あーあ、あれじゃ泣いてるんじゃね?
俺に気を使わずに行けば良かったのに」
「レディを泣かせるのは趣味じゃないけど
俺もそこまで行きたくなかったんだ」
「そう言えば、お前チャラいのに
どっかに遊び行くの少ないよな。」
「チャラいは余計だっつうの」
そう言うと椿は俺の頭を鼓舞して挟んだ

グリグリグリ

「いたたた!ごめん!悪かったって」

はぁー

と椿がため息をつくと話し始めた

「女の子は可愛いし好きだけど
マンションにいるほうが楽だし…それに」
「それに?」
「いや、何でもない」
そう言うと椿はこの話を辞めてしまった
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