秘密の糸Season1㊤
「はい。」


「このゴミ持って行くから、ついてきて。」


「分かりました。」


私は井上さんについていき、非常階段を降りた。


だけど井上さんは、何も話してくれなかった。


(こんなの嫌だ…)


「あの!井上さん!」


私は思わず大きい声を出し、井上さんを呼び止めた。


だけど、ビクリともしてくれなかった…。


「……」


トントントン


階段を降り終えた後、私は井上さんの前を回った。


「私の目、ちゃんと見てください!」


「……」


「どうしてこの前あんな事したんですか!」


その時、井上さんは目を反らした。


「私のこと、嫌いなら嫌いとハッキリ言って下さい!」
 

その時


「キャッ!」 


手首を捕まれ、壁に押しかけられた。
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