秘密の糸Season1㊤
「円花?」


振り返ると秀兄ちゃんが紙コップを持って立っていた。



「秀兄ちゃん!?」


「どうした?一人でショッピングか?」


「あ‥えと、晋ちゃんのプレゼントを買いに来たんだ。秀兄ちゃんは?」


「俺はここで仕事。
今ライター研修中で、こうやって色んな雑誌の撮影の現場見学来て勉強してるんだ。」


「そうなんだ!すごーい!」


「…ありがとう」


その時の秀兄ちゃんは笑っていて嬉しそうだった。


「円花は晋一の誕生日プレゼント買いに来たんだっけ?何するか、決めた?」


「それが全然分からないんだよね…。
晋ちゃんには内緒にしてるから聞けないし…。」


「まあ、確かに男性のプレゼント選ぶのって難しいからな…。
よし、分かった!今日は片付け終わったら、仕事終わるから、俺も付き合うよ。」


「え?いいの!?ありがとう!秀兄ちゃん!」


「良いよ。大事な子の為なら。」


「え?」


「あ、妹としてな。
じゃあ後で行くから、1階のアイスクリーム屋の前で待ってて。」


「分かった!」


「じゃあ後でな。」 



「うん!」



そして私は、アイスクリーム屋の前で待った。
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