秘密の糸Season1㊤
プルルル


『はい、何、兄貴』


『お前、明日誕生日だろ?だから先に言っとく。
おめでとう。』


『ありがとう』


『晋一』


『何?』


『円花を泣かすような事だけは、絶対するなよ。』


『…分かってるよ。』


『俺さ』


『何?』


『円花の事、ずっと好きだった。』


『え?』


『だけど、お前らの中に入るつもりはない。』


『え?』


『だけどな、晋一。
これだけは覚えてろ。』


『何?』


『お前がもし、円花を泣かすようなマネをするなら…。
その時は俺が円花を貰う、じゃあな。』


ツーツー


そして俺は、電話を切った。


これは宣戦布告だ。


「晋一…俺は本気だからな。」


俺は"決心"した


円花の兄貴として、


大事な妹として、



< 268 / 642 >

この作品をシェア

pagetop