秘密の糸Season1㊤
第25話溝
【円花side】


チュンチュンチュン



鳥の鳴き声が聞こえた。



「もう…朝か…。」


あれから私は、



あの事があってから一睡も出来なかった。



トントントン



階段を降りると、包丁の音が聞こえた。


お母さんが、降りてきた私に気づいた。


「あら、円花早いわね。おはよう。」


「…おはよ」


私は何となく、お母さんの顔が見れなかった。


パシャパシャパシャ


洗面所に行き、顔を洗った。


机には、既に朝食が並べられていた。


「…頂きます」


私は朝食を食べた。


だけどあまり、食べる気に慣れなかった。


「…ごちそうさまでした。」


「あら、もういいの?」


「…うん、ごめんね」


そして洗面所に行き、支度をした。


鏡で自分の顔を見ると、


…疲れた顔をしていた。 


「ひどい顔…」


メイクも、いつもより力が入らなかった。


「…行ってきます」


「行ってらっしゃい。」


お母さんは、不思議そうに私を見ていた。


だけど今は話したくない…。


晋ちゃんに会うのが気まずいと感じた私は、早めに家を出た。




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