秘密の糸Season1㊤
一人で歩く通学路は、すごく長く感じた。


いつもは晋ちゃんと話しながら歩いているから、すぐに大学に着いていた。


隣に晋ちゃんがいないっていうだけで、すごく長く歩いている感じがした。


「…晋ちゃんといるとあっとゆうまに着くもんね…。」


だけど今はまだ、


晋ちゃんと顔を合わせる余裕が私にはなかった…。


私はふと、昨日の事を思い出した。


昨日の晋ちゃんは、まるで別人のようだった。


あんな顔をした晋ちゃんなんて知らない…。


しばらくして、大学に着いた。


ゼミに向かうとまだ、


少しの人しかいなかった。
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