秘密の糸Season1㊤
「あれ?三田倉さん、今日早いね!」


同じゼミの女の子が声を掛けてきた。


「あ、うんちょっと…。」


「そうなんだ!」


「うん」


私はその後、席に着き机に顔を伏せた。


しばらくしてから声がした。


「円花?」


顔を上げると、美菜がバックを持って私の前に立っていた。


「美菜、おはよ…。」


「どうしたの?今日早いね。」


「たまには早く来ようと思って!」


私は、美菜に心配かけさせないよう元気にふるまった。


「そうなの?」


「うん」


その時、美菜の首からネックレスが見えた。


(この前はあんなネックレス…してなかったよね?)


「そのネックレスかわいいね、どうしたの?」


「この前ね、彼氏と一緒にショッピングした時に貰ったの。」


そう言って美菜は、ネックレスのリングをギュッと握りしめた。


「そうなんだ、いいなあー!羨ましいー!」


「ありがとう…。」


美菜は幸せそうだった。


だけど…


それにしては少し、元気がなかった気がした。


(美菜…?)


「円花あのね、私…」


「ん?」

 
美菜が何か言いかけようとしていたその時、


「おっはよ~二人ともー!」


舞由香と盟加が入ってきた。
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