秘密の糸Season1㊤
『美菜?どうかした?…うん。分かった。
後でまた、電話するね。」


(えっ…今美菜って言った…?) 


《美菜》と言う女性の名前が電話から聞こえた。


しばらくして、新堂さんは電話を切った。


そして、席に戻ってきた。


「お待たせして、ごめんね。」


「あ、あの…み、美菜って…?」


あたしは動揺して、声が少し震えた。


「ああ、彼女だよ。」


新堂さんはそう言って、照れくさそうに笑った。


「へ、へえー…」


❲彼女❳


その言葉に動揺して、


あたしは飲んでいたグラスのドリンクを床に落としてしまった。
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