秘密の糸Season1㊤
「…え?」

そして涼汰君は包みこむように私を抱きしめた。

「…涼汰君?」

「無理して笑うなよ…」

「え?」

「…俺も同罪だ。美菜をあの場所から連れ去ったんだ。
そこから俺達は関係を持ったんだ。
…今更、見てみぬフリなんか出来ねーよ」

「…っでも!」

「…俺は、今のお前をほっとけない」

「……」

「…俺が守る。」

「…え?」

「…もう二度と、美菜を一人で苦しめたりなんてしない…」

「涼汰君…」

私はまた涙を溢した…。

「…ずっと一人で苦しめてて…ごめん…」

涼汰君のその優しい言葉に、

私は涙をどんどん流した。
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