秘密の糸Season1㊤
『…え?』

突然言われた事に対して、あたしは訳が分からなかった。

『どうゆうこと…? …切れないってこと…?』

『…ごめん』

…何で?何でなの?

『…何で?』

『それは…』

『…約束してくれたじゃん!これからはあたしの側にいるって!涼汰が言ったんじゃん!』

『…ごめん』

涼汰の声が、だんだん低くなる。

『…今彼女が大変な目にあってて…』

『大変な目にって何?』

『……それは』

『答えてよ!』

『…ごめん、けど今は言えない…。』

『…まさか…妊娠?』

『…違う』

『…じゃあ何で言ってくれないの?』

あたしら不安になり、どんどん涼汰を責めてしまった。

『落ち着いたらちゃんと話すから』

だんだんと怒りが込み上げてきた。

『何それ!意味分かんないよ!
あたしよりその子が大事なの!?
あの日言ってくれた言葉は何だったの!?』

『ごめん…本当にごめん…!』

『もういい!』

ツーツーツー

あたしは通話を切ってしまった。
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