午前0時、夜空の下で。 ―Short Story―
ジュリアはその微笑を見つめながら、自分と似ているカザリナもまた、この場所には相応しくないと感じてしまう。

「……私が好敵手と認めるのはあなただけよ。
今までも、これからも。自分が怖くてたまらない。
あなた以外の女が陛下の隣に立ったら、きっと私はその女を殺してしまう。
彼の隣に立つ女は、あなた以外許せない」

「まったく嬉しくないわね。じゃあ私はその女を全力で応援するわ。誰があんな無関心男にあなたをくれてやるものですか。
その時が来たら私はあなたの敵よ、覚悟しなさい」

即座に言い返せば、カザリナはめったに見せない唖然とした表情を浮かべたが、すぐに駆け寄りジュリアに抱き着いた。

「私、あなたが大好きだわ」
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