湖都子のポエム8

もう過去のこと……


私の人生……ちっとも好きじゃない

恋を知らなかった

抗えないまま……
飲み込まれてしまいそうで怖い……

多少好みじゃなくても……よかった
あなたの優しい言葉がほしかった

こんなの恋とは呼ばない……よね
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もう一度付き合いはじめて、幸せいっぱいのはずだったのに、最近、彼の様子がおかしい。

マルに声をかけられた。
「アイツが浮気してるのを知っても、まだ付き合ってんのか?」
「もう別れたって……」
「優しい言葉を言われさえすればいいのかよ……」
「彼は優しい……もの」
「アイツは、女の子を簡単にホテルに連れ込むヤツだぞ。そんなヤツでいいのか?」
「別にいいんじゃない?もう別れたのなら……」
「は……?」
「彼は今は私と付き合ってんの。放っておいてよ。あんたには関係ないでしょ……」
「勝手にしろよ」

そのあと、彼と会った。まだ彼の家に行ったことはなかった。
「俺の家こない?」
マルにイライラしていた私は、彼についていった。彼女は私なのよ……だから、家族に紹介してくれるんだよね

アパートの一室……え?ここで家族と住んでんの?
部屋に入る
「遅っせーよ。」部屋には男が3人……
「ついてきたってことは、そのつもりだったんだろ?」
頭がグルグルして、どうしていいかわかんないよ。逃げなきゃ……だけど、足がすくんで動けない。怖い……

ドアを開ける音。まだ他にも?マルと奈緖ちゃんと彩花ちゃんと弘人くんと……
「美月、大丈夫か?」
「た……助けて……」
その後ろに警官がいた。警察に連れて行かれる彼らを見ていた。

「マルから全部聞いたよ。美月ちゃんのことを信じてあげられなくて、ごめんね。」
「奈緖ちゃん……」
「いいよ。泣きたい時は泣いていいんだよ」
私よりも背の低い奈緖ちゃんが、私を抱きしめた。涙がこぼれ落ちる。

私はなんでマルの言葉を聞かなかったんだろう。色んな人と会って、色んな意見を聞かなきゃいけなかったんだ

「アイツ、高校に入ってすぐにレギュラーになれると思ってたのに、レギュラーになれなくて、練習しなくなってさ……そうなると、結局サッカーやめたんだ。それで悪い奴らとつきあい始めた。それで彼女の友達とつきあい始めた。それも1人や2人じゃない。何人も……ホテルに連れ込まれて、さっきの美月みたいな目にあった。だから、知り合いの女の子に頼んで、付き合ってるから別れてと……それで美月には被害がいかないと思ってたのに、また付き合ってんのを聞いて、止めに行った。強く止めても、聞かなかった。だから、奈緖と彩花と弘人に話して、ついてきてもらった。怖い思いをしたと思うけど、間に合ってよかった。」
泣きながら聞いた。

「もう大丈夫だよ。だから、安心して……」
「うん……」

彼はもう昔の彼じゃなかったんだ。世の中に変わらないものなんてないんだね。こんな時に助けにきてくれた皆のことは信じられた。私は何もわかってなくて……
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