湖都子のポエム8

思い出……ボロボロ……


なんで……?
どうして……?

手を伸ばせば手が届く距離にあなたがいるのに
あなたと話せない
特別だと思ってたのは私だけだったの?
私……舞い上がってたかも……

あなたといると自然な自分でいられた
どうしてあなたの前では素直になれるんだろう?

あなたと過ごす時間が楽しかった
今は独り
今までは独りでも平気だった
でも今は胸が苦しくなる
私が私でいられなくなっちゃう

喜びも悲しみも
全て思い出に変えていく
手のひらからボロボロとこぼれ落ちていく
_________________________________________
彼といても、以前のように楽しくなかった。

学校で奈緖ちゃんと話さなくなった。中学の時に戻っただけなんだけど、奈緖ちゃんとの楽しい時間を思い出して胸が苦しくなる。胸がつぶれそう……

奈緖ちゃんは、ほかのクラスメートと話してる。そこはこの間までは私の居場所だったのに……私には誰もいないの……充分すぎるくらい幸せだったもの……現実にもどるだけ……これが私の現実……日々は否応なしに過ぎていく。

でも、なんで急に奈緖ちゃんは……1人で考えたって、答えなんかでない。気がつくと、奈緖ちゃんを目で追っていた。ぶつかる視線……ふいっと、目をそらされる……

クラスメートと少しだけ話した。「美月ちゃんは彼がいていいねー」「そんなの……」と言いかけて、違う子に声をかけられて、離れていった。彼がいるだけで、なんでプライベートも充実してると思うんだろう……か?彼がいても、何か物足りなくて……幸せを感じられなくなっていた。

友達と過ごす時間。それは、奇跡みたいなものだね。そんなありふれた奇跡の時間をあなたと過ごした。喜びも悲しみも全て思い出に変えていく。あれは現実だったんだろうか?手のひらからボロボロとこぼれ落ちていく。
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