湖都子のポエム8

近くて遠い人……


あなたは優しくて
あなたと一緒だと楽しくて
毎日幸せだったあの頃……

ずっと一緒にいられると
この幸せがずっと続くと夢見ていた
永遠を夢見ていたあの頃……

永遠はどこにもない
気付いた現実は……
未来に何ひとつ期待しちゃいけないってわかった

心の中は凍りついていてもまだ笑える
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子供の頃から、ヒロといるのが当たり前だった。ヒロがいるのが当たり前で、当然だと思っていた。でも、絶対じゃない。ヒロと別れてから、ヒロと話していると……周りの視線を感じた。友達にも戻れないと感じた。

奈緖からヒロに話しかけることはなくなっていた。たまにヒロから話しかけられても、挨拶程度で……

そんな日々が続き、このまま終わると思っていた。

そんな意気地なしの私の手を強引につかんで、連れ出したヒロ。
「どうしてなんだ?なんで俺を捨てる?」
「捨ててなんか……ヒロに私じゃふさわしくないんじゃないかって……」
「俺がいつそんなことを言った?」
「みんなが……」
「他のヤツなんて関係ない。奈緖は俺にはかわいい女の子なんだ。ずっと……」
「そんなこと言うのは、ヒロだけだよ」
「そのままの奈緖が好きだよ。他の女じゃダメなんだ。俺は一生大事にする。ずっと奈緖だけを見てる。俺と付き合えよ。」
「う……うん……」
ヒロの幸せのために、終わらせるべきだと思っていた。だけど、私が思うより、ヒロに愛されてるのかもしれない。

だけど、前のような気持ちでこたえられなかった。近いけど、遠い人……
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