眠り姫の憂鬱。


「ちょっと可愛いからって調子に乗るなよっ!?」

「それって私のこと可愛いと思ってくれてるのっ?嬉しい」

「なっ、」


この子はきっと、自分がどうしたらいいかわからなくて苦しんでる。

自分の看病をしてくれてる兄に、家族にどう接していいかわからないんだ。


それで突き放すようなことを言ったりしてしまうんだよね?


「七海ちゃん」

「何?」

「私には七海ちゃんの辛さはわからないけど、お兄ちゃんを突き放して悲しませるようなこと言って、七海ちゃんが幸せになれるとは思えないな」


七海ちゃんは、人のことを考えすぎなんだと思う。

もっと自分のことを考えて、自分のために行動すればいいのに。


「七海ちゃんが幸せになれば、きっとご家族のみんなも幸せになる」

「そんなこと…、」

「知ってる?病は気からって言うでしょ?笑ってないと治る病気も治らないんだよ!」


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