眠り姫の憂鬱。
私はニコリと笑って、七海ちゃんの頬を摘んで口角を上げてあげた。
「なにすんの!」
「ふふっ、笑った方が可愛いよ!」
七海ちゃんが笑わないと、楓も笑えないし、ご両親だって笑えない。
でも七海ちゃんが笑えば、もっと明るい家になるはず。
七海ちゃんの病気が良くなれば、もっと楓の負担も軽くなるはず。
余計なお世話だったかもしれないけれど、これで楓が笑ってくれたら本望だなって。
その数分後コンビニから帰ってきた楓は、私の分のアイスも買ってきてくれていて、やっぱりそういうところが好きなんだよなあって改めて思った。