眠り姫の憂鬱。

◇感情と現実◇



朝、落ち着かなくて起きてしまう。

今日は学校をお休みする日って決まっていたから、もう少しゆっくりしてても良かったのだけど、ベッドから出て鏡の前に立った。


顔色はそんなに悪くない。

体調も完璧とは言えないけれど良好。


よし、大丈夫。


夏も冬も建物に引きこもっているばかりに白すぎる肌は、すぐに顔色が悪く見えてしまうから厄介だ。

いつもは少しでも青白く見えたりするとコントロールカラーとファンデーションで肌を明るく、そして薄くチークをつけて血色よく見せる。



でも今日はその必要は無さそうだ。



「雅ー!降りてきなさーい!」


一階のリビングから私を呼ぶお母さんの声が聞こえてきたので、はあい!と大きく返事をしてリビングへ行った。



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