眠り姫の憂鬱。


もう大丈夫だからねって。

心配しないでねって。

迷惑かけてごめんねって。

無理矢理笑った私の顔は、両親の目にどう映ったのだろう。


泣いたあとの、ぐちゃぐちゃでボロボロで、きっとブッサイクな顔だった。


だけど、それでもお母さんが

『朝ごはんにしよっか!』

って微笑みかけてくれたから、私は少し胸が痛くなって、それから頑張ろうって、すっきりした気持ちになれたから、本当にお母さんはすごいと思う。


その後、色のなくなった世界での私は色を見つけることに必死で、恋をすることに走ったのはたぶん必然だった。


ただの勘違いでも恋をするとほんの僅かだけど、世界が色づいて、私を明るく照らしてくれた。

恋の力って素晴らしい!って本気で思った。



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