フレーム
「は、隼人!!」
私よりも先に、
隼人がそれを取って歩き始める。
「へー?これ、そんなに大事なの?」
「大事…じゃないけど、
ないとダメなの!」
そう、隼人を追いかけて私も教室を出ると
太一君が、
「環奈の欲望抑制機?らしいよー!!」
「わあーーーーーー!馬鹿!!!太一君、馬鹿なの!?」
そう周りの人に聞こえないように
思わず叫んだけど、
誰かは聞いてたような気がする。
あのことが、バレたらどうしよう…。
「え、ダメだった?」
「ダメ!!」
呑気に言う太一君の腕を引っ張りながら、
私は、それを持つ隼人を追いかけたんだ。