フレーム
太一君と初めて会ったあの川沿いの芝生の上に、
太一君と隼人が当たり前のように腰を下ろすので
私も仕方なく隼人の横に腰を下ろして、
「そろそろ返してくれませんか、隼人君」
そう言うと、
「うーん
…どういう経緯でこれを持ってるの?
これってさ、どっかの伝統工芸品、みたいなのでしょ?」
そう言う隼人は私のお守り代わりの紐を、
私の目の前に垂らして見せつけてくる。
どのタイミングで取りに行ったら
取り返せるのか…。