フレーム
第1セット中盤、
22対15
7点もリードしているはずなのに
なぜだか気持ち悪い。
異常なまでに冷静な相手校。
本当に高校生なのかと疑ってしまう。
「やられたなぁ。
高槻、この試合どう思う?」
顧問の先生と話していた監督に
急に話しかけられ、
驚きながらもコートに目先を移す。
「なんだかやりづらそうです。
桜田先輩のスパイク、左利きだから取りづらいはずなのに…
太一君の速攻のスピードにも全然驚いてない…。」
「だろうなぁ。
次のセット、変えてみようか。」
そう監督がニヤッと笑うと
相手校のタイムアウトにより、
ちょうどみんながベンチに戻ってくる。
ドリンクを慌ただしく配り始めると、
監督が口を開いた。