フレーム
「憧れの桜田先輩と一緒なんだから、
いいとこ見せないと!」
そう、私が隼人の背中をたたくと、
隼人の後ろから
「え?何?俺のこと憧れてんの?」
そうニヤッと笑う桜田先輩を見て、
太一君は笑いをこらえている。
「いや違っ…くはないですけど…
って、おい環奈!!」
桜田先輩と目があった隼人は
そう不自然に言い直しながら、
私の方を軽く睨む。
いつも意地悪されてるお返しだもんね。
そう思いながら私は、
隼人にニコッと笑いかけたんだ。
そしてタイムアウトが終わり、
コートに戻って行くみんなを見送ると、
隼人と反対側を向く。