フレーム
「そ、その節は
大変ご迷惑を…」
「…はいはい。
とりあえず、玄関から移動しよっか?」
立膝で太一君の肩に手を置く私を
床に座り込み私の腰に手を回す太一君が
少し見上げながらそう苦笑する。
確かに、
私達、ずっと玄関に…
申し訳ないという気持ちで
頭を縦に動かすと、
「俺は一旦家戻ってシャワー浴びてくるから環奈もその間に…
大丈夫だって、また来るから。」
そう私を安心させるように、
微笑んで言われ
嫌だ
なんて言えるわけもなく、
合鍵を渡して見送った。
どうしよう、
さっきまで何も無かった身体が
いきなり落ち着かなくなる。
「お願い、戻って…」