フレーム






震える手のまま、

なんとかシャワーを浴び終え

ノースリーブのワンピースで鏡の前に立つ。



何、これ…。



お風呂場では気づかなかった

首筋にあるいくつかの赤い跡。


その跡を自分の手で確かめようと

手を首の方まで持って来る。




「え?」




鏡に映った私の手首には

くっきりとあざが残っている。



あの時の…


"許します"


そう自分で言ったはずなのに、

自分の身体に残った跡を見ると、


心の中がモヤモヤとして気持ち悪い。

今までよりも、震えが大きくなる。



怖い。



そして頭の中に響く、



"お前のせいだ"



という言葉。






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