フレーム







横に座る環奈の方を見ると、




「…と、隣の家に住んでた1つ歳上の女の子とは仲良かった…と思います。

彼氏は…いないです。

これからも、いません。」




そう、ゆっくりと答えていた。


"彼氏は"


の後の沈黙が気になった。


"これからも"


ってところも。



そう考えていると、

母さんがすかさず




「えー、そうなのー?

これからも、は分からないんじゃない?

良かったらうちの太一、どう?」


「ぶっ…ゴホッ…母さん!」




ニコニコしながら、

サラッと俺の名前を出す。


環奈は、

母さんの発言にか、

むせた俺にかは分からないけど


とりあえず目を見開いてから、

俺の背中を控えめにさすった。


あらまあ、


なんて言いながら、

心配すらしない母さん。


母さんのせいでむせてんだけど。


そう心の中で文句を言っていると、

すぐ隣で環奈が、




「太一君、は、凄いから…

私なんかじゃ釣り合いません。」




そう悲しそうに笑っていたんだ。


そして、その笑顔の隙の

悲しそうな表情に

ほんの少しだけ、


俺は期待してしまっていた。











太一side.end







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