フレーム







帰りのバスに乗り込む前に

私と太一君、桜田先輩は忘れ物の確認をしたため最後に乗り込む。

忘れ物が無かったのは良かったのだが、

部員が多いため席がほとんど空いてない。




暁「俺の隣空いてんぞー」


桜田「あ、じゃあそこ行くわ。

太一と環奈は通路挟んで隣な」




そうニヤッと笑っているところを私にだけ見せた桜田先輩は、

私と太一君を追い抜かして暁先輩の隣に座った。


…太一君の隣!?




「さ、桜田せんぱ…!」




桜田先輩!

そう言おうと桜田先輩の方を向く途中で

すぐ前にいる太一君と目が合って言葉を失った。




太一「窓側行って」


「え、あ……はい」




待って、待って待って待って??

ここから学校までは3時間以上かかる。

それまでずっと…


横に座った太一の腕が肩にあたり、

ビクッと反応してしまう。




太一「どうした環奈」


「ご、ごめん!その…ごめん」




何、これ。

全然話せない。

いや話せないどころか、

目も自分からは見れない。




太一「は?」




無理矢理覗き込まれて合う目。


刹那、


顔が熱くなる。

恥ずかしいのにバスの中では

狭すぎて目をそらせない。








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