フレーム






太一「環奈?」




そう言って私の背中に腕を回す太一君。

さらに密着してしまったせいで

私の心臓の音は速く大きくなっていく。

すると、




桜田「太一、ほっといてやれよ」




そう隣から桜田先輩が笑いながら言う。

その隙に太一君の腕からすり抜けて

下を向いて深呼吸をした。




太一「どういう…」


桜田「クスッ…

いいからお前は寝ろよ?疲れてんだろ」




きっと太一君は不思議そうな顔をしているんだろう。

心臓バクバクな私の気持ちなんて知らないで。

だが、考えすぎて疲れたからか


先に眠ってしまったのは

太一君ではなく私の方だった。





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