最期の贈り物 ‐君への愛‐
「うるさい」
たろうさんを止める役は翔って決まってるのかな??
毎回、たろうさんをとめてるの翔な気がするんだけど……。
「優苗ちゃんすごいねえ。 燐の後ろなんて、滅多に乗れないというか、絶対ないくらいなんだよ。 貴重な経験だね」
そんなにすごいんだ、燐って……。
当の本人は、ケロッとして私が乗るのを待っている。
なんか、すごく、かっこよくみえる……。
ちょこちょこと駆け寄っていくと、ヘルメットを被らされた。
久しぶりのヘルメットは重くて、頭が傾いた。
「ぶっ、お前、ヘルメット着けただけでよろめくとか弱すぎかよ」
「しょ、しょうがないじゃん……っ」
燐に笑われた……。
燐って笑う時、ぐーんと幼くなる。
白い歯を見せて、目を細めて、心の底から楽しそうに笑う姿は、無邪気な男の子そのものだった。
「あ、お前、朝ご飯食ってないんだっけ」
「あああ!そうだ、私、食べてない。 椎菜ちゃんのご飯……!」