最期の贈り物 ‐君への愛‐
「俺らは、暴走族ってゆーても正統派やから。 薬とかやってへんし、安心して?」
正統派の暴走族……?
よく分からないけれど、悪いっていうことじゃないのか。
「1回来てみたらいいよ。 怖くなったら、帰ってくれていいから」
皆、優しすぎるよ……。
学校で、友達と呼べるような人はいない。
話せって言われたら、話すようなそんな仲だった。
家でも、お母さんは毎晩ふらりと消えるし、愛なんて言葉を私は理解出来ずにいたけれど。
……とても、あたたかい。
「あの、お、お願いします……」
「お願いしますって! さ、優苗ちゃんは誰の後ろに乗るかな?」
翼は、皆のバイクを見て、選びなよと私に言ってきたけれど、私が選べるわけない……!
というか、どれも怖そう!
「優苗は、俺の後ろ」
そうやって私を呼んだのは、燐だった。
その言葉に誰よりも驚いたのが、たろうさんだった。
「えーー!ずるいんだけどっ。 俺も乗りたい!」