【短編】とある悪い日の話
ちょっと待っててください、と私を残してコンビニに消えていった七咲は程なくして戻ってきた。
「じゃあ、行きましょう」
大きめな袋を下げた七咲は、そのまま当たり前のように私の手を握った。
「ちょっと、手」
「酔ってるんで、許してください」
いたずらっ子みたいに笑う七咲にそう言われてしまえばそれ以上何も言えず。
そのまま連れてこられたのは、小さな公園。
「うわ、めっちゃ小せぇ」
ブランコに飛び乗った七咲は子供の頃の感覚との違いに驚いたのかケラケラと笑う。
「ちょっと、楽しいことって何なのよ」
「夏の夜に公園といえば、やることは一つでしょう!」
ブランコから降りた七咲はコンビニ袋の中からライターと手持ち花火セットを取り出す。
「小学生の頃とか良くやりませんでした?」
「やったけど、なんでいきなり」
「こんなラッキーなこと滅多にないんで、思い出作りたくて」
「ラッキー?」
「都和と会社以外で会えてるなんて、ラッキー以外の何物でもないでしょ」
…馬鹿みたい。
そんな、少女漫画みたいなセリフ。