愛しの許嫁~御曹司の花嫁になります~
キスをしながらもつれるように部屋に入る。

「大好きだよ……。ん?」

 口づけを解いて、再び愛の言葉を囁いたその時、鷹野部長がちゃぶ台に置かれている一枚の紙に視線を落とした。

「っ!? そ、それは……」

 鷹野部長が眉間を寄せながら手にしていたのは、大家からの立ち退き通告書だった。私は、何も考えずについちゃぶ台に放ってしまったことを後悔した。

「これはなんだ?」

 先ほどまでの甘い空気が一変する。やっと借金問題が解消したというのに、私にはまだ問題があった。

「その……どうやら私、引越ししなきゃならないみたいで……」

 鷹野部長はその通告書をじっと見つめながら何も言わない。

 やっぱり、面倒くさい女だって思われたかな――。

 これ以上、鷹野部長に迷惑はかけられない――。

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