愛しの許嫁~御曹司の花嫁になります~
「明日、不動産に行って物件の相談をしようって思ってるんです。大丈夫です、鷹野部長の迷惑には――」

「あのさ、茜ちゃん、許嫁の件、受け入れてくれたんだろ? だったら、不動産なんか行く必要ない」

「え……?」

 すると、鷹野部長は離れていった私の温もりを再度、追い求めるように抱きしめた。

「結婚すれば、そんなことは問題じゃない」

「け、けけ結婚!?」

「だって、許嫁の件、受け入れてくれたんだろ?」

 鷹野部長が訝しげに私の顔を覗き込む。

 私が、鷹野部長と結婚――。

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