たった一言を君に
その瞬間力が抜けてその場に座り込む。
どうしようもない悲しみを捨てる方法を考えようとしてみるもいい案なんて浮ばない。

泣くこともせず無表情で

ポケットから写真を取り出した。


瀬良君とのツーショット写真。

キラキラな青年と長い前髪からぎこちない笑顔を覗かせた地味な子。
少しは和んだと思ったけど、やっぱりその姿はぎこちなかった。

いい写真だとは思えないけど、あの日すぐに現像したのだ。スマホからはなくなっちゃったけど、これがあるのが唯一の救いだ。

あって良かった…
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