たった一言を君に
「瀬良君、私の声届いてる…?」

「綺麗な声だよ」なんて返してくれた。

「私は、ずっとずっと普通が欲しかった。みんなと同じ環境が欲しかった……でも、みんな私は普通じゃないって言って…」

私は、普通じゃない。
青春を見ることしかしない人に普通なんてないのだ。

「俺も苑田も、みんな、普通じゃねぇよ。みんながみんな普通を求めて生きてる馬鹿なんだから」

「…普通を?」

「普通なんてないのに、馬鹿みたいに真ん中を目指そうとしてる。俺みたいに…。でも、それじゃつまんない
俺は…



苑田の方がよっぽど魅力的だ」
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