眠り姫の憂鬱
カフェの明かりが見えて、私は静かにドアを開けて中に入る。
「いらっしゃいませ。あれ?!美月ちゃん、1人で来たの?大丈夫?」
とマスターと奥さんらしき人がカウンターから出てくる。
「美月ちゃん、心配してたのよ。バイクにはねられて…意識がなくって…
でも、会社の人が付き添って、救急車に乗ってた。
恋人だって言って…
この間、無事に退院できました。って電話をくれたけど
美月ちゃんが来てくれるのを待ってたのよ。」と奥さんは私に笑いかけてくれる。
「…私はその人とここで会っていましたか?」
「美月ちゃん?」
「私はここで誰と会っていましたか?
何も覚えていないんです。
茶色い髪の、黒い眼鏡の人でしたか?
リュックを持っていましたか?
その人と恋人でしたか?教えてください!」
と涙を流しながら言うと、
「…そうね。私達はいい雰囲気だって思ってた。
その人は『イケタニ ショウ』って人だったかな…
金曜日の夜にやって来て、ふたりで楽しそうに話してた。」
「私と救急車に乗った人は違う人なんですね。」と聞くと
ふたりは気まづそうに顔を見合わせ、頷いた。
「ありがとうございました。スッキリしました。」と涙を拭い、
「すみません。また来ます。」と笑って見せて店を出て、ゆっくり歩き出す。
…コーヒーも頼まなかった。
おかしな女だと思っただろうな。
『イケタニ ショウ』が私の恋人だ。
ショウゴさんじゃない。
なぜ、嘘をついてショウゴさんはそばにいるの?
そして『イケタニ ショウ』はどこに行ったんだろう…。
「いらっしゃいませ。あれ?!美月ちゃん、1人で来たの?大丈夫?」
とマスターと奥さんらしき人がカウンターから出てくる。
「美月ちゃん、心配してたのよ。バイクにはねられて…意識がなくって…
でも、会社の人が付き添って、救急車に乗ってた。
恋人だって言って…
この間、無事に退院できました。って電話をくれたけど
美月ちゃんが来てくれるのを待ってたのよ。」と奥さんは私に笑いかけてくれる。
「…私はその人とここで会っていましたか?」
「美月ちゃん?」
「私はここで誰と会っていましたか?
何も覚えていないんです。
茶色い髪の、黒い眼鏡の人でしたか?
リュックを持っていましたか?
その人と恋人でしたか?教えてください!」
と涙を流しながら言うと、
「…そうね。私達はいい雰囲気だって思ってた。
その人は『イケタニ ショウ』って人だったかな…
金曜日の夜にやって来て、ふたりで楽しそうに話してた。」
「私と救急車に乗った人は違う人なんですね。」と聞くと
ふたりは気まづそうに顔を見合わせ、頷いた。
「ありがとうございました。スッキリしました。」と涙を拭い、
「すみません。また来ます。」と笑って見せて店を出て、ゆっくり歩き出す。
…コーヒーも頼まなかった。
おかしな女だと思っただろうな。
『イケタニ ショウ』が私の恋人だ。
ショウゴさんじゃない。
なぜ、嘘をついてショウゴさんはそばにいるの?
そして『イケタニ ショウ』はどこに行ったんだろう…。