飛べない鳥に、口づけを。



泣きそうな顔で、いっちゃんに深々と頭を下げる。

あたしは馬鹿だ。

薬の確認もろくにせず、いっちゃんが来たからと早々に帰ってしまった。

いっちゃんが持っていたインスリンは、小沢さんが本来使っているものと全くタイプが違うもので、間違いに気付かず使ったら大変なことになっていたかもしれない。





「本当にすみません!!」



何度も頭を下げるあたしに、



「大丈夫ですよ。気付いてよかった」



いっちゃんは言ってくれたが……

自分が本当に憎くなった。

薬を間違えて、それを松葉杖のいっちゃんに届けさせるなんて!


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