飛べない鳥に、口づけを。




「あっ……あの!

足を怪我しているのに!」



「大丈夫ですよ」




相変わらずいっちゃんは柔らかい笑みを浮かべている。




「いいリハビリになりました」




りっ……リハビリだなんて!!

あたしは薬剤師とはいえ、医療関係の一員だ。

負傷しているいっちゃんに、なんてことをさせているのだろう!




相変わらずパニックを起こしているあたしは、



「本当にすみません、いっちゃん!!」



またまた最低なミスを犯した。

焦りに焦って、彼のことを「いっちゃん」と呼んでしまったのだ。




確かに小沢さんは、孫である彼のことをそう呼んでいた。

だけど、初対面で、しかも仕事関係者のあたしが「いっちゃん」と呼ぶのは明らかにおかしい。


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