飛べない鳥に、口づけを。
「あたしも、樹さんの活躍しているところ、見てみたいな」
我ながらなんて大胆なことを言っているのか。
自分の発言に驚いてしまう。
そんなあたしに、樹さんはさらに要求をする。
「"さん"、付けなくていいよ」
眩しいばかりの笑顔でそんなこと言われても……
男性を、しかも歳上の男性を呼び捨てなんて考えられない!
こじらせ特有の思考で結論に至ったあたしは、
「樹君」
彼をそう呼ぶ。
「樹君」
自分で言っておきながら、恥ずかしくなってまたまた紅潮してしまった。
あぁ、あたしは幸せだ。
例え友達といえ、こうやって樹君と一緒にいられるのだから。
明日薬局に行ったら、矢沢さんに自慢してあげよう!!