飛べない鳥に、口づけを。





「あたしも、樹さんの活躍しているところ、見てみたいな」




我ながらなんて大胆なことを言っているのか。

自分の発言に驚いてしまう。

そんなあたしに、樹さんはさらに要求をする。




「"さん"、付けなくていいよ」




眩しいばかりの笑顔でそんなこと言われても……

男性を、しかも歳上の男性を呼び捨てなんて考えられない!




こじらせ特有の思考で結論に至ったあたしは、



「樹君」



彼をそう呼ぶ。

「樹君」

自分で言っておきながら、恥ずかしくなってまたまた紅潮してしまった。





あぁ、あたしは幸せだ。

例え友達といえ、こうやって樹君と一緒にいられるのだから。

明日薬局に行ったら、矢沢さんに自慢してあげよう!!



< 75 / 252 >

この作品をシェア

pagetop